「いびき日記」 噛まなきゃあ始まらないいびき用マススピース

 

                   2018年4月19日

 

いびき用マウスピースのことは前回、正式名称が「スリープスプリント(Slee Sprint)と紹介し、そのスリープスプリント(Sleep Sprint)の紹介では、

 「スリープスプリントとは、睡眠時無呼吸症候群の歯科的な治療器具である。睡眠時に着用して、下顎を前進させた状態を固定することにより、上気道の閉塞を防ぐ効果がある。」と説明されています。

つまり下顎を前に出す機能を持つことです。

 

このスリープスプリントなるものの素材は、硬いプラスチック製品でもなく

木材でもなく、もちろん金属でもありません。

このような硬い素材であればそのものが持つ保持力で、下顎を前に出して保つことができるでしょう。

しかし、ほとんどの場合、その素材は柔らかくて加工のしやすいシリコン製となっています。延びたり縮んだり、曲がったりするものです。

 

 このスリープスプリントが求める要件を、満たすためには、まずは噛むことが重要なのです。

 噛まないで、この求める要件を満たすのは無理です。

そして必ず前提条件として、「鼻呼吸ができる状態で」という注釈がつきます。

この「噛むこと、鼻呼吸」ができることが必要条件となります。

 

ではこれを、満たさない状態は何をさすのか「噛まない 鼻呼吸じゃなく口呼吸」であり、「口呼吸するから口が開き、噛まない=噛めない」となります。

つまり、噛みつづけていなければいびきに対しては「全く効果が出ない」ということです。

 

口いっぱいに詰め込む「歯科医院作成のスリープスプリント」は、なんとなく口の中に入れておけば効果ができると、過信しがちですが、そこが、効果が出ない対策となっているのだと思います。

 

「噛め!」と言われて、歯を食いしばる印象をお持ちになる方もあるでしょうが、軽く前歯を合わせる意識を持ち続ければ、効果が出るものです。

当社が開発した「いびきピシャッと」は前歯を合せて前歯部分で噛むだけです。

極限までトレードオフ(機能を絞り込む)した製品です。しかし、

 

「ここを噛んで下さい」と要求するかのように溝を刻んでしまいました。

別に、ここだけを噛まなければ、効果が出ないということではないことは、作ってみて感じたこともあり、又それ以前に、自分で作成して薄い板を噛んでいた時も、必ずしも溝を噛んでいるわけではなかったのです。(笑)

 

ところが、いざ特許申請する段になると、「どこを噛ませるのですか?」、「どこに今までのマウスピースとの違いがあるのですか」と問われました。

「いや先生、この板は何処を噛んでも効果があるんですよ」というと、それでは特許製品ではなく、単なる噛み方の問題になりますので、あくまでも製品の特許となると、噛む溝が必要となりますよ」と諭されて、このような形になりました。

 

で、いざ販売する段階になっても、「どこを噛んでも大丈夫じゃあ話にならんし」と言うことで、溝を噛んでいただく案内になった次第です。

 

そしで、知り合いの呼吸器内科の先生の所へ行って、すなおに「先生 実はこのいびきピシャッとは、どの部分を噛んでも同じような効果が出るのですよ!」と説明したときに、はじめてそれが「『噛み合わせ効果』と言うんですよ」と教えていただき、謎が解けた次第です。

 

私も毎晩使っていますが、本体を噛んで、薄いマスクをつけて寝ています。マウスピースは、あちこち口の中で回しながら噛んでいます。

「この一点だけ溝を噛みつづけなさい」と言うのは私自身にとっても酷です。

ただ自分で、最初にこのような薄い板を見つけて噛んでいた時に、あらゆる場所を噛んでいましたので、多くのユーザーさんもいずれは気が付いていただけるのではないか、使い続けるうちに慣れてきて、自分に合った方法を見つけていただけるのではないかと期待しています。

 

ただ店頭などでの紹介の時には、この「噛み合わせ効果」を説明して、「どこを噛んでも大丈夫と、説明しています。効果は出るのです。