「いびき日記」 

                舌根が堕ちるからイビキ、口を開けるからいびきがひどく、

                更に、いびきがひどくなるから苦しくて口を開ける悪循環!!

                             2018年8月28日

 

 私が開発した世界一薄いスリープスプリント「いびきピシャッと」をみて、「こんな薄いものじゃあ眠ったらすぐに口から外れてしまう」という指摘があります。

 

 眠ると口を開ける!という構図は、どうも電車やバスで人が居眠りをしている様子から、「眠ると口を開ける」と刷り込みがおこなわれているようです。

 

 多くの場合にヒトは暗い中で眠っているために、人の寝姿を見ることはたびたびあるわけではありません。明るい中で観る寝姿が、電車やバスの中であろうと思います。

 そこから想像して、「人は眠ると口を開ける」と早合点していることが、眠る=口を開けるという刷り込みの大きな原因であろうと考えられます。

 

 しかしいびきにおける真の原因は、多くの場合に、舌根が堕ちて気道を塞いでいることであって、「口呼吸はそれを更に悪化」させているにすぎません。

口呼吸をすることで、喉の粘膜が乾燥して固くなり、より空気が通りにくくなっている訳です。

 

ヒトは眠っている8時間の間、約8000回の呼吸をしています。

呼吸器内科の先生が指摘するのは、いびきをかいている人は、狭い気道を呼吸を通すために圧力をかけて呼吸をしていること。

それは、風船を8000回膨らませているだけのエネルギーを消費しているものです。  だから朝起きた時に、疲れが取れていないと感じる大きな要因でしょう。

 

 8000回も風船をふくらませているエネルギー消費。

そうするとより多くの酸素が必要になり、開口部を大きく開けて酸素を取り込もうとするのです。

 それはちょうど激しい運動をした後は苦しくてハアハアと口呼吸をしてしまうことと同じ理由なんです。  いびきをかいていることで息が苦しくなり口呼吸⇒喉の粘膜が渇き、より呼吸が苦しくなって口を開けて酸素を取り込もうとする⇒いびきが大きくなる。まさに悪循環です。

ですからいびき対策としては必ず二つのことが必要となります。

「舌根を引き上げる器具を使うこと」「鼻呼吸のクセを付ける」。それでも難しい時は一度耳鼻科を受診することをお薦めします。

 

逆に「いびきをかいていない人」は夜寝ているときはほとんど鼻呼吸をしています。口も閉じて眠っているのです。

 

 いびきをかく人が推計で2千万人とすれば、1億人は口を閉じて鼻呼吸で眠っていると推計することができます。

 従って多くの日本人は、口を開けて寝る人より、口を閉じて鼻呼吸で眠っている人が多いのです。

 

 それを反射的に「眠ると口を開ける」という反応は、明るい時間帯に見る電車やバスの居眠りの光景に他ならないわけです。

 

 専門家の間でも混乱している事例もあります。

 口呼吸といびきには密接な関係があり、そのために眠るときに口に貼るテープが販売され、一部呼吸器内科の先生も推奨したりしています。

 

 口をテープで塞いだからと言って、いびきが治るわけではありません。

唇は柔らかいので、唇の隙間から呼吸できます。

 そして真のいびきの原因が舌根の堕ちこみであるので、その対策には何も効果がありません。

 

 スリープスプリントがいびきの治療に持ち入れられるのは、下の歯を前に出し、そこで上下の歯を併せて噛むことで、下顎が前に出て、舌根を引き上げて気道を確保するという目的があります。

 

 噛むのを辞めてしまっては、顎が下がり、舌根も元に戻りますので、なんの効果もありません。

噛むのを辞めてしまえばどのいびき用マウスピースでもその効力を即座に失ってしまいます。

 

鼻呼吸に戻すためには、「あいうべ体操」を繰り返し行うこと。なかなか改善しない時には、思い切って耳鼻科を受診す売ることをお薦めします。

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