「いびき日記」

 

 認知症削減1割目標(10年で)の行方

2019年7月11日

 

 政府が言う今後10年間で認知症1割削減は、そもそも認知症の発生原因がよく解っていない、とのことで、その達成が危ぶまれています。

 認知症が現れるのは、何らかの要因で、脳が委縮して、脳の働きが弱くなること。それは高齢による脳の萎縮もありますが、すべてが年令には関係なく、100歳を過ぎてもなお頭脳明晰、かくしゃくとしたご高齢の方もいらっしゃいます。

脳が委縮していく要因の一つが、脳の小さな細胞が少しずつ壊れて行って再生されないことです。その原因の一つとして、隠れ脳梗塞(小さな脳梗塞)があると言われています。

大きな脳梗塞であれば、その場で倒れる、言語障害が出る、などの症状が現れますが、日常の細胞の生まれ変わり、その数の多少の増加くらいでは、症状に現れにくいのです。

ましてやそれが睡眠中に起こるとしたら、まったく気が付かずに朝を迎えることになります。

そう その夜の睡眠中の隠れ脳梗塞の発生原因が、「いびき」による「無呼吸症候群」だと考えるドクターもいらっしゃいます。

いびきと 無呼吸症候群の間には明確な違いがあり、「いびき」は病気ではありませんが、一旦クリニックの門を叩いて検査して「無呼吸症候群」と診断されれば病気と認定されます。

つまり、クリニックを受診していない「いびき」ホルダーには、病気でない人と病気の人が混在していることになります。

「いびき」が病気ではないとされていることから、いびきの人が、いびき外来の門を叩くことはかなりハードルが高くなっていると思います。

つまり、明確に「無呼吸症候群」であっても、本人に自覚がない、治療も対策も行われていない人が大勢、在野に居るということになります。

もう一つ厄介なのが、この「この無呼吸症候群」による隠れ脳梗塞から認知症までの間は、かなり時間を要するということです。

すぐに重篤脳梗塞ではなく、夜の睡眠中に、静かに時間をかけて少しづつ認知症を形づくっていくものです。

それは、10年いや15年間の積み重ねであると言われています。

ということは、10年後に1割の認知症を削減するためには、まだ、「無呼吸症候群」と診断されていない人から、対策を勧めていかなければならないのです。(次回続く)

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