「いびきラボ」 いびきのメカニズムがしられていない!? 

            2018年1月6日(土)

 

 「いびきは病気ではない」ことから、やはりいびきの発生するメカニズムが意外と知られていないようです。いびきを通り越して「睡眠時無呼吸症候群」は病気と認定されています。

 ただ、「いびきと睡眠時無呼吸症候群の境目」ははっきりあるわけでもありません。「いびきがうるさいから」と妻に言われて別室で寝ている人は、意外と呼吸器内科には行っていなくて「すでに睡眠時無呼吸症候群」になっている可能性も大きいです。

 

 病院に行かずに、「自分でいびきを何とかしたい」と考える人は、やはりまずいびきのメカニズムについて知る必要があります。そこが分からないと、無駄にお金だけ使って効果のないことになります。というよりも、メカニズムが分からなければ最初から無駄な出費となります。

 

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いびきの発生要因は主に二つです。二つしかありません。

一つは鼻奥の軟口蓋(喉ちんこ)が堕ちて気道を塞いでいるタイプ。これは口を開けて前からのぞき込んでもらって、喉ちんこが見えていなければこのタイプです。主にCPAPでしか改善の方法はありません。最近医療器具として鼻からパイプを差し込む「ナステント」というものが開発されています。全体の10%がこれにあたります。

 そして最も多い原因は、残りの90%が喉奥の舌根が堕ちこんで気道を塞いでいるタイプで、これは、主に下あごを前に引き出したのち、それをマウスピースで保持する治療方法になります。

このマウスピースで保持する所作が、上下の前歯で噛むことなのです。

 当然前歯で噛んでいなければ、舌根を引き上げたままの状態が続かないので、舌根が堕ちて気道を塞いでしまい、いびきがでます。

 これは、口から外れるマウスピース、口にとどまっているマウスピースでも同じことなのです。

 「口から外れることが問題!」ではないのです。「噛むのを止めることが問題」なのです。

 噛むのを止めてしまえば、マウスピースによる改善はできない! それはマウスピース治療法の大前提なのです。

ですから、歯医者さんで作っていただく上下がっちり口の中にはめるマウスピースでも、いびきは発生します。前歯で噛む所作を止めたら、効果はありません。

 その裏付けとして、口を開けないようにと、口にテープを貼って眠ることも、余り意味がないことです。いくつかyoutubeに動画投稿が載っていますが、まったく改善されていないことを、面白可笑しく伝える投稿です。

 口にテープを貼っても全くいびきには無関係なのです。

 

 いびきは改善しなければならないのです。そのためには自らも考えて行動する必要があります。何かに頼りきってもダメなのです。マウスピースが外れたり、またマウスピースをしているのにいびきがでたりするのは上下前歯でマウスピースを噛んでいないからです。

そこには噛めなくなった原因があります。それが鼻呼吸ではなく口呼吸になっているということです。

 いびきをなくしたいと思うなら鼻呼吸できるように、耳鼻科などの専門医に一度かかって下さい。

 呼吸器内科の専門医の間では、一般の人と比べて「睡眠時無呼吸症候群の方が認知症になるリスクは2倍」と言われています。改善する必要のあるいびきなのです。