「いびき日記」 いびきホルダーは自由人、束縛が大嫌い!
2018年6月28日
「いびき持ち=いびきホルダー」は、何にも束縛されずに眠りたい、という方が多いようです。
「マウスピースを噛んで眠るなんて」「ましてや、CPAPのベルトを着けて眠るなんて」と、自分を束縛することを拒否する人も、結構いらっしゃるようです。
現実に、いびき外来を訪れて、歯科医師のつくるマウスピースを処方されて、初日で「もうダメ」とあきらめた人。
重症でもって「CPAPの処方を申し渡された医療関係者」が、「こんなもん付けたら眠れん」と拒否している方。
そういう方に、結構出会います。
そんな人でも、やはり「友達と旅行に行く」「職場内での忘年旅行」などとなると、やはり気になるので、市販のマウスピースを求めて、ドラッグストアなどを訪れます。
マウスピースはその使命が「受け口を作って、その状態を保持すること」ですから、販売しているそのままの状態で効果を表すものは少ないです。
自分の口から外れにくくするために「お湯で温めて柔らかくして自分の歯型を取る」タイプのものが圧倒的に多いです。
ところが、これをきっちりとできる人が少ない、成功する人は少ないのです。
説明書には、65度のお湯、70度のお湯、85度のお湯、などいろいろな表示があります。着けおき時間も書いてありますが、それがビミョーです。
箸で、お湯の中で揺らしてみてゆらゆらと、ヒダが揺れる感じで歯に押し付けなければ、歯茎にぴったりした歯型が取れないので、タイミングを計るのが難しいです。
お湯もすぐに冷めてしまうために、失敗してやり直すとなると再度熱いお湯を注ぎ足さなければなりません。 お湯が冷めることを念頭に置いて多少熱めのお湯に再度浸して、待っていると、今度は「シュルルー」と縮んで分厚くなり、薄いピッタリの歯型ができないことになります。そうするとそれは失敗です。効果が期待できません。
私もたびたび作りましたが、3個に一個しか成功しませんでした。
今度展示会があり、そのような熱可逆性のマウスピースを買って、「歯型を取った後に、下の歯を押し付ける位置を決めるのです」という説明をしようと、指定通り75度のお湯に浸しましたが、柔らかくならず、失敗した製品を再度80度のお湯につけて、模ろうとすると分厚くなってしまいました。
ぴっちりした歯型をとることができれば、いびきは改善できますが、中途半端だと、受け口の状態を保持するのが難しく、効果が期待できません。
改めて、熱可逆性マウスピースの成功は難しいことを思い知らされました。