「いびきラボ」 「目的と手段を間違えないこと」

目的は下あごを前に出し続けることで、口から外れないことではない

                                                     2018年1月11日(金)

 

 新年そうそう、購入した方から嬉しいお手紙をいただきました。購入して3か月、この間妻からは「いびきは聴こえん、たぶんいびきはかいていないように思う」と言われたことをお礼として、はがきに書いて下さいました。

 その際にやはり、「口から外れないようにできないのか?」という注文もいただきました。

前回書いたように「スノアガード(いびきガード)」は優れた商品だと思いますが、「熱湯に漬けて模ること」「シリコン製の為前歯で切れやすいこと」「噛んでいなくても外れないので、効果のない装着時の状況が分かりづらい」という難点があります。ですからマウスピースで完璧なものはまだできていないのです。

 

 私も、この「スノアガード」を使いだすきっかけとして、いびきのメカニズムが「受け口の人(下アゴが出ている人)にイビキが少ない」ことからこのマウスピース療法が始まったと聞いて、このマウスピースを使いました。前歯で噛むことを意識させる製品だったからだと思います。

 ところが慣れてくると、だんだん噛む意識が薄れて、前歯とくちびるの間にこの製品がいつもとどまっているので、安心していびきをかいていたのだと思います。

 妻からのクレームをきっかけに色々なものを試しましたが、結局はうまくいかず、原点である「前歯で噛む」ことを中心に考えることにしました。

 そこで目を付けたのが、「糸ようじ」でした。当時、持ち手の部分が広く、角を取れば前歯で十分噛めるものがあり、それを爪切りでカットし、やすりで滑らかにして噛んでいました。でもこれはプラスチック製なので、硬くて顎に負担がかかりました。

 そこで今度は、もう少し柔らかいものをと「赤ちゃんが口にするもの」から探しました。見つけたのが「歯がため」でした。これは、掃除機の車輪などのゴムに使用されているもので、それをカットし、薄く削って使用しました。

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 ある程度硬さがあるので、アゴの負担を軽減するためには薄くカットしなければなりません。薄く薄く削っていると、失敗して穴が開き、使えない状態になります。

 うまく作れば6個出来上がるところも、2個しかできない状況です。家で使うだけでなく出張にも持っていきました。やはり明け方口から外れると、ベッドの隙間に入って探せなくなり、頻繁に造りなおすことを余儀なくされます。

 ところが薄く薄く削ることが、できれば良いのですが、穴が開く失敗を恐れて厚めに削ったものは、噛むとアゴに負担がかかり、食事に困るようになりました。

 そこで柔らかい樹脂を探して、今回の製品につながるわけです。これは極めてシンプルにつくっています。結果的にシンプルが故のいろんなメリットがあります。

 一番のミソは、噛み込み溝の山の高さを1ミリにしたことです。当初特許事務所の先生からは、「実際にどこを噛んで眠れば一番良いのかわかるようにしなさい」と指導されました。だから溝をきっちり作りました。でもその時に、自分のこれまでの経験から厚さがあると、そこを噛んだ時にアゴに負担がかかると感じていました。

 特許申請した当初の設計では、溝はもう少し高くして、歯を挟むようなイメージのものでした。

 ところが実際の作製の時は、思い切って1mmの高さに修正しました。これによるメリットは私が想像したよりも明確に解るようになりました。

 それが、「呼吸器内科のドクター」から言われた「噛み合わせ効果によって、どの部分を前歯で噛んでいても効果がある」という説明でした。

 そうなんです。この「いびきピシャッと」はどこの部分を噛んでいても上下の前歯が同じ位置に来るのです。

 皆さんが切符を買って、歯にくわえて両手をポケットに入れ、物を探するしぐさ、薄いものを噛もうとしたら、上下の前歯を無意識に合わせているのです。

 この「いびきピシャッと」はそれと同じように、薄いものを噛む動作が切符を噛む動作と同じなのです。

 ですから、前歯でこの「いびきピシャッと」を噛むことは、無意識に必然的に上下前歯をあわせているのです。

 それがいびきを軽減できる理由なんです。